企業内転勤ビザとは？要件・手続き・注意点をわかりやすく解説

外国人の在留・ビザ・帰化手続きに強い行政書士法人。英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語対応・全国対応で、外国人の方の日本での生活をサポートしています。

実務経験に基づいた信頼性の高い情報をお届けします。

外国人社員を海外の支店・子会社から日本の本社などへ転勤させたい――
そんなときに利用できるのが「企業内転勤ビザ（在留資格：企業内転勤）」です。

本記事では、制度の概要から申請要件、審査のポイントまで、行政書士の視点でわかりやすく解説します。

企業内転勤ビザとは？

「企業内転勤」とは、海外の支店・子会社・親会社などに勤務している外国人社員が、日本国内の関連会社で継続して勤務するための在留資格です。

このビザを取得すると、同じ企業グループ内での転勤という形で、日本で業務を行うことができます。

対象となる業務内容は、基本的に「技術・人文知識・国際業務ビザ」と同じ範囲です。
つまり、専門的・技術的知識を要する業務や語学・文化・貿易に関する国際業務が該当します。

企業内転勤ビザの許可を得るためには、以下の条件を満たす必要があります。

転勤前に、同一企業グループ内で1年以上継続して勤務していることが必要です。

この「1年以上」は、継続勤務期間としてカウントされるため、出向・派遣などの場合は注意が必要です。

転勤元と転勤先の企業は、次のいずれかの関係であることが求められます。

日本で行う業務が、技術・人文知識・国際業務ビザで認められる内容であること。
例えば、以下のような職種です。

日本人が従事する場合と同等額以上の報酬が支払われる必要があります。
転勤元企業から支給される場合でも、日本側企業の支払いと同等と認められる給与水準が必要です。

申請時には、以下のような書類を提出します（企業の状況により追加あり）。

区分	主な書類
転勤者本人	パスポート、在留カード（変更申請時）、履歴書、雇用契約書など
転勤先企業	登記事項証明書、決算書、会社案内、組織図
転勤元企業	登記証明書または営業許可書、勤務証明書、給与支給証明書
両社関係	出資関係を示す書類、業務提携書、出向契約書など

（日本国内での在留資格変更申請も可能）

在留期間は「5年・3年・1年・3か月」などがあり、審査結果により決定されます。
転勤期間が延長される場合は、在留期間更新許可申請を行うことで延長可能です。