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日本で働く外国人の方々を取り巻く環境は年々変化しており、とりわけ「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」の在留資格を持つ方々にとって、雇用形態や労働条件を巡る課題が浮き彫りになっています。
私たち行政書士は、こうした問題点を正確に理解し、外国人の方々が安心して働けるよう支援する役割を担っています。
本記事では、技人国の派遣労働を巡る問題点や入管庁の対応、そして企業また外国人の皆様への具体的なアドバイスについて紹介します。
目次
技人国の派遣労働を巡る問題
技人国ビザの派遣労働を巡って、近年指摘されている問題は主に以下の三つです。
1. 在留資格の目的と実際の労働との乖離
まず大きな論点は、「在留資格の目的と実際の労働との乖離」です。
技人国は、本来専門的な知識を必要とする業務に従事することを前提としています。
しかし一部の企業や派遣先では、単純労働的な業務に配置されるケースが見られます。
これは資格外活動に該当する可能性があり、本人だけでなく受け入れ企業にとってもリスクとなります。
「技人国の取得には、母国で大学などを卒業して技能を有する必要がある。
専門性の高い分野での就労が原則だが、派遣会社が派遣先に対し、専門外の仕事も可能と説明し、単純作業をさせるケースなどが確認された」、
と指摘されています(2025年8月16日一般社団法人共同通信社「外国人の派遣労働把握へ 専門職資格で単純作業も 是正必要と判断、入管庁」)。
2. 賃金未払い・不当な賃金設定
次に「賃金未払い」や「不当な賃金設定」です。
特に派遣労働の場合、派遣構造が複雑になるほど、労働時間や残業代の算定が不透明になりやすく、結果として労働基準法違反につながる事例が少なくありません。
3. 雇用状況の把握が不十分
また「雇用状況の把握が不十分」という問題もあります。
外国人材がどの職場でどのように勤務しているか、派遣元・派遣先・入管当局が十分に情報を共有できていない場合、適切な労務管理が行われず、トラブル発生の温床となります。
入管庁の対応
こうした状況を踏まえ、入管庁は専門職資格(技人国ビザ)で単純作業の実態を確認・是正が必要と判断した。
近く開かれる有識者会議で具体策を議論するとされています。技人国の外国人は2024年末時点で約41万人。
派遣業者を利用する傾向は強まっており、1割程度の約4万人が契約しているとみられます(同前2025年8月16日一般社団法人共同通信社)。
派遣就労が増えている現状を受け、外国人労働者が本来の在留資格に沿った業務に従事しているかを重点的に調査し、違反事例には厳格な対応を取るとしています。
これは外国人本人だけでなく、派遣業者や受け入れ企業に対しても責任を問う姿勢を示したものと言えるでしょう。
技人国ビザの派遣労働を適正に行うためには
◎ 外国人本人へ
自分の在留資格で認められている業務範囲を正しく理解し、万一派遣先で単純作業を求められた場合には、速やかに派遣元や専門家に相談することが重要です。
また、労働契約書や給与明細を必ず保管し、不当な扱いを受けた際の証拠を残しておきましょう。
◎ 受け入れ企業へ
「知らなかった」では済まされません。派遣された外国人がどのような在留資格を持ち、どのような業務が許されているかを確認しなければなりません。
不適切な業務を指示した場合、企業側も行政処分や社会的信用の失墜に直面します。
◎ 派遣会社へ
適正なマッチングを行い、雇用管理体制を強化することが必須です。
行政調査が厳しくなる中で、違反があれば事業そのものの継続が危うくなります。
当事務所として、外国人の方々が不利益を被らないように、また企業が適切に国際人材を活用できるように、日々支援を行っております。
気になる方、当行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
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