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日本で家族と一緒に暮らし続けたい

子どもの将来を考えると帰国は難しい

――このような悩みを抱える方にとって、在留特別許可は大きな希望となる制度です。

しかし、手続きは複雑で、正しい準備をしなければ認められないことも少なくありません。

本記事では、在留特別許可の基本から流れまでをわかりやすくご紹介します。

在留特別許可とは?

在留特別許可とは、本来であれば退去強制の対象となる外国人(不法残留・不法滞在・オーバーステイなど)に対し、法務大臣の裁量で例外的に日本での在留を認める制度です。
人道的な事情や家族の状況、日本社会への影響などを総合的に考慮して判断されます。例えば、以下のようなケースでは許可が検討されることがあります。

  • 日本人または永住者と婚姻している場合
  • 日本で生まれ育った未成年の子を養育している場合
  • 長期にわたり日本で生活しており、日本社会との結びつきが強い場合

在留特別許可が認められれば、正式な在留資格が付与され、合法的に日本に滞在できるようになります

在留特別許可の要件とは?どんな場合に許可される?

在留特別許可は本来であれば退去強制の対象となる外国人に対し、特別の許可を与えるものです。

したがって、許可要件はかなり厳しいものになります。

具体的には、「在留特別許可に係るガイドライン」に定められています。

ガイドラインでは、日本人の配偶者がいる、など日本にゆかりのある人や、人道的な配慮を必要とする人は許可をする積極要素として考慮されるとしています。

ただし、このような積極要素があっても、長期にわたる不法滞在素行が善良でない場合、消極要素として考慮され、許可されない恐れがあります。

このように、在留特別許可では、積極要素と消極要素の比較衡量により判断されます。

在留特別許可で積極要素として考慮される例

  • 日本人又は特別永住者との間の子
  • 日本人又は特別永住者と法的に婚姻している場合
  • 人道的な配慮を必要とする場合

以上は例ですので、詳しくはガイドラインをご参照ください。

在留特別許可される事例と許可されない事例とは?

さらに、入管HPの、「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例」も許可可能性を判断するうえで非常に参考になります。

こちらの事例では、不法滞在以外の犯罪を犯していない方が許可されているケースが多く

反対に、薬物所持など、不法滞在以外の犯罪を犯している方、素行が善良でない方が不許可になっているケースが多いです。

在留特別許可をお考えの方は、こちらも確認されることをお勧めします。

在留特別許可の必要書類

では、在留特別許可申請にはどんな書類が必要なのでしょうか。

結論から言うと、必ず提出しなければならないのは、「申請書」のみです。

しかし、申請人の状況によって、陳述書、除籍謄本など、添付資料は様々となります。

例えば日本人と結婚している場合には、以下のような書類が必要となります。

在留特別許可の必要書類

  • 申請書
  • 陳述書(不法滞在の経緯や事情を説明)
  • 身分証明書
  • 婚姻証明書や家族関係を示す書類
  • 生活状況証明(収入、就労状況など)

特に家族事情や人道的配慮を示す資料が重要です。

在留特別許可と退去強制手続きの流れ

在留特別許可申請は、退去強制手続き中に行います。

そこで、ここからは、退去強制手続きの流れについて解説していきます。

退去強制の手続きは、以下のようなステップで進んでいきます。

なお、在留特別許可申請は退去強制令書が発布されるまでの間であれば、いつでも申請できます。

1.入国管理局への出頭・在留特別許可の申請

本人が入管に出頭し、事情を説明して申請します。

(出頭してすぐ在留特別許可申請を行う場合)

2.入国警備官による違反調査

警備官が事情を聴取し、在留違反の有無や内容を調査します。必要に応じて書類確認も行われます。

3.収容または仮放免手続き

違反が疑われる場合は収容施設に送致されることがあります。ただし、仮放免の申請も可能で、保証金の納付が必要になるケースがあります。

4.入国審査官による違反調査

さらに審査官が調査を行い、退去強制の要件に該当するかどうか判断します。

5.口頭審理の請求(異議申立て)

審査結果に納得できない場合、口頭審理を請求できます。
特別審理官に対して直接事情を説明する機会が与えられます。

6.特別審理官による口頭審理

特別審理官が本人や家族から事情を聞き取り、より詳細に判断します。

7.再度の異議申立て(必要に応じて)

特別審理官の判断に不服がある場合、さらに異議申立てを行うことも可能です。

8.法務大臣による最終裁決

最終的に法務大臣が裁決を行います。

特別な事情が認められれば在留特別許可が与えられます。

9.結果通知と対応

  • 許可された場合:正式な在留資格が付与され、日本での滞在が合法となります。
  • 不許可の場合:退去強制となり、日本を出国しなければなりません。

在留特別許可の審査期間

在留特別許可は、申請してすぐに結果が出るわけではありません。

ケースによっては数か月から1年以上かかることもあります。

また、申請したからといって必ず許可されるわけではなく、審査は非常に厳格です。

まとめ:在留特別許可は退去強制手続きの流れを正しく理解して準備を

在留特別許可は、外国人本人やその家族にとって非常に重要な制度です。
ただし、手続きは複雑で、提出書類や説明の仕方によって結果が大きく変わることもあります。

  • 在留特別許可の流れは 「出頭・申請 → 調査 → 口頭審理 → 法務大臣の裁決」 というステップを踏む
  • 家族関係や人道的事情を示す資料が重要
  • 結果が出るまで長期間かかる場合がある

不安がある場合は、行政書士や弁護士など専門家に相談することを強くおすすめします。

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