「前回、入管にどんな書類を出したか覚えていない」「申請内容が一致しているか不安」──そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
在留資格の更新や変更を行う前に、過去に提出した書類の確認方法を押さえておきましょう。

相談事例:申請内容がわからず不安なケース

当事務所に相談に来られたのは、ベトナム国籍の30代の方。転職を経て、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格更新を検討していました。
しかし、前職でどのような職務内容を申告したのかが不明で、今回の申請内容と整合性が取れているか不安とのことでした。

入管に提出した書類は原則返却されない

行政書士が申請書類を作成する際、重要になるのが前回の申請内容との整合性です。
ただし、入管に一度提出した書類は、原則として本人に返却されません。そのため、提出前に書類のコピーを取っておくことが理想です。
しかし、コピーを残していない場合でも、以下の方法で確認が可能です。

過去の申請書類を確認する方法:保有個人情報開示請求

このようなケースでは、「保有個人情報開示請求」の制度を利用することで、過去に入管へ提出した申請書類の写しや記録を確認することができます。

保有個人情報開示請求とは?

日本の個人情報保護法に基づき、入管に提出した申請情報の開示を求めることができる制度です。
ただし、この請求ができるのは本人のみであり、行政書士や弁護士が代理で請求することはできません。

申請方法と手数料

申請書の提出や本人確認書類の準備が必要です。詳細は入管公式サイトや当事務所までお問い合わせください。

開示決定までの期間

法律では「30日以内に開示決定を行う」と定められていますが、実際には処理状況により30日を超える場合もあります。

個人情報保護|出入国在留管理庁

まとめ:過去の申請内容を確認し、トラブル回避を

入管に提出した書類を確認する最も確実な方法は、提出前にコピーを取って保管することです。
もし控えがない場合でも、「保有個人情報開示請求」により過去の申請内容を確認できます。在留資格の更新・変更では、申請内容の一貫性が重要です。不一致があると不許可のリスクもありますので、
不安がある方は、正確な情報をもとに準備を進めましょう。

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この記事の監修:みなと行政書士法人名古屋市に拠点を持ち、ビザ・在留資格・帰化申請に関する豊富な実績があります。