会社を辞めたいけど、ビザは大丈夫だろうか?

今の仕事が合わない。でも外国人の自分が転職していいのか不安…

そう感じている外国人就労者の方も多いのではないでしょうか。

実は、在留資格の種類によっては自由に転職できないケースもあります。手続きや申請を怠ると、思わぬトラブルにつながることも…。

この記事では、「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など、それぞれの就労資格における転職の可否や必要な手続きについて、わかりやすく解説します。

将来の働き方や生活を守るためにも、正しい知識を身につけましょう。

外国人の就労を目的とした在留資格の種類

就労を目的とした資格には、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」「技能実習」などがあります。

日本人の場合もそうですが、就業できたとしてもその会社や仕事に適応できずに会社を辞めたいと思ったり、別の会社に転職したいと考える人たちもいると思います。

ただ、就労資格によって転職の可否、手続きなども異なりますので、注意が必要です。

ここからは、在留資格ごとに転職できるかどうか、転職できる場合の必要な手続きについて解説します。

技能実習生の転職可否と必要手続き

まずは、技能実習の転職可否と必要手続きについて解説していきます。

技能実習生は原則転職ができない

「技能実習生」は、原則として転職ができません

転職ができずに職場に縛られるため、一時期、技能実習生の相次ぐ失踪が問題になった時期がありました。

ただし、例外的に転職できる場合があります。

技能実習生が転職できるのは以下のようなケースです。

技能実習生が転職できるケースとは?

技能実習2号から3号への移行の時

技能実習2号から3号への移行の際は転職出来ます。

この場合実習実施者を変更することになります。

ただし、転職の際には母国へ一時帰国の必要があります。

実習実施者(会社)が技能実習の実施が困難になった場合(会社の倒産等)

会社が倒産などしてしまった場合は、特例として別の会社への転職が認められる場合があります。

 

技能実習2号が終了後、特定技能1号に資格変更する際

技能実習2号を修了し、特定技能1号に変更する場合は、同じ会社で働き続けることもできますが、別の会社に転職することも可能です。

特定技能外国人の転職可否と必要手続き

次に、特定技能外国人の転職可否と必要手続きについて解説します。

特定技能外国人の転職は、同一職種のみ

「特定技能外国人」は原則として転職可能です。

ただし、転職先は同一分野の同一業種区分で働ける会社に限られます。

例えば工業製品製造業分野では、現在は10の区分に分けられています。

同じ製造業でも機械金属加工と金属表面処理では区分が違います。

特定技能外国人は別の区分で働くことはできない

ある会社で機械金属加工区分で働いていた人が、別の会社の金属表面処理区分で働くために転職することはできません。

あるいは金属表面処理の技能検定3級、あるいは技能実習評価試験の専門級に受かれば、その区分を持つ会社で働くことができます。

特定技能外国人の転職時の手続きは?

「特定技能外国人」が転職する場合は、入管に在留資格変更申請をしなければなりません。

同分野、同区分の仕事ができる会社への転職であっても、転職は在留資格の変更になります。

在留資格変更が認められないと、転職先で仕事ができない

気を付けなければいけないのは、新しい就職先への在留資格変更が認められなければその転職先で仕事を始めることができません。

前の会社を辞めるタイミングが早すぎると、しばらく仕事ができずに無収入の状況が続くおそれがあります。

違う分野、区分への転職も可能ですが、まずはその分野の技能試験に合格する必要があります。

技術・人文・国際業務の転職可否と必要手続き

最後に、技術・人文・国際業務の転職可否と必要手続きについて見ていきましょう。

技術・人文・国際業務の転職は大学で学んだ知識を活かせる仕事のみ

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でも、転職はできます

ただし、前職と職務内容が同じ会社でなければなりません。

「技術・人文知識・国際業務」では、特定技能のような現場作業ができない

「技術」資格の場合では、特定技能とは違って、技能を持った工場のワーカーのような仕事はできません。

最初に就職したときと同じで、大学で学んだ技術を生かせる仕事、ワーカーより技術知識を生かした管理者のような仕事でなければなりません。

技人国ビザの有効期限がまだあるので、「とりあえず、どんな仕事でもいいから転職したい。」というわけにはいきません。

技術・人文・国際業務の転職時の手続きは?

転職から14日以内に届出が必要

「技術・人文知識・国際業務」の方が転職する場合は、在留資格変更申請は必要ありませんが、入管に必ず「届出」をしなければなりません。

退職したら退職日から14日以内に届出。転職したら転職先の初出勤日から14日以内に届出です。

退職日と転職先の入社日が離れていない場合は、契約終了と新たな契約締結の届出を提出すれば一度で届出を済ませることができます。

届出だけですので、その際には転職先の職務内容が前職に就職した際に取得した技人国資格要件に合っているかどうかの審査は行われません。

仕事内容と在留資格があっているか不安なら「就労資格証明書」を申請しよう

不安であれば、「就労資格証明書」を取っておきましょう。

就労資格証明書とは、仕事が現在の在留資格に該当するか確認するものです。

就労資格証明書を取っておくことで、不法就労のリスクもなくなり、安心して転職出来ます。

3カ月在留資格みあう活動をしないと、資格が失効してしまう

前職を退職したあと、在留期限が残っている間に何をしてもいいというわけではありません。

届出をしてから、技人国の資格に見合った会社を探す。転職する。

雇用保険一定期間加入していた実績があれば失業給付も受けられます。

もし、3ヵ月何も在留資格に見合った活動をしなければ、その在留資格は失効します。

入管への申請。届出。また期限に関することなど、くれぐれも気をつけておかなければなりません。

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