日本で在留資格(ビザ)を更新する際、通常は「申請理由書」の提出は必須ではありません。しかし、特定の状況では申請理由書が求められることがあります。本記事では、どのようなケースで申請理由書が必要になるのか、また作成時のポイントについて詳しく解説します。
■ 申請理由書が必要なケースとは?
1. 活動内容が変わった場合(転職・転籍・配偶者ビザの変更など)
在留資格ごとに許可されている活動内容が決まっています。そのため、転職などで職務内容が変わる場合、現在の在留資格で許可される範囲内であることを証明する必要があります。
✅ 転職した場合
新しい勤務先の業務内容が、現在の在留資格の範囲内であることを説明しなければなりません。
📌 補足ポイント
- 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人が転職する場合、転職後の業務内容が在留資格の範囲内であることを証明する必要があります。
- 例えば、前職で「ITエンジニア」として働いていた人が、新しい会社で「営業職」に転職する場合、業務内容によっては在留資格の更新が難しくなることがあります。
- 新しい勤務先からの「雇用契約書」や「業務内容がわかる書類」を添付することで、適正な業務であることを証明しましょう。
✅ 日本人配偶者ビザを持つ人が離婚・再婚した場合
配偶者ビザは「日本人と結婚していること」が前提のため、離婚後のビザ更新時には、今後の在留資格について明確に説明する必要があります。
📌 補足ポイント
- 離婚後も日本に滞在を希望する場合、「定住者ビザ」への変更を申請するケースが多いです。
- 再婚した場合は、結婚の経緯や生活の実態を説明し、偽装結婚ではないことを証明する必要があります。
- 申請時には、結婚の証拠(結婚式の写真、LINEのやり取り、交際期間中のエピソードなど)を提出するとより信頼性が増します。
2. 申請内容に疑問が生じる場合(書類の不足・無職期間など)
入国管理局は、提出された書類に不備や疑問点がある場合、申請理由書での補足説明を求めることがあります。
✅ 必要書類の一部が提出できない場合
- 例:勤務先が発行するはずの書類が用意できない場合、その理由を説明する必要があります。
- 代替資料(給与明細や会社からの説明書など)を添付すると良いでしょう。
✅ 長期間の無職・未就労期間がある場合
- 仕事をしていない期間が長い場合、なぜ無職期間が発生したのかを明確に説明する必要があります。
- 「貯金で生活していた」「家族から経済的支援を受けていた」「求職活動中だった」 など、具体的な理由を記載しましょう。
- 必要に応じて、銀行の残高証明や家族からの送金記録などを添付することで信頼性を高められます。
3. 特例的な事情がある場合(災害・健康問題・パンデミックなど)
一般的な基準では判断しにくいケースでは、申請理由書で詳細に説明する必要があります。
✅ 自然災害やパンデミックで帰国できなかった場合
例えば、新型コロナウイルスの影響で航空便が欠航し帰国できなかった場合、その事情を理由書に記載します。
📌 補足ポイント
- 航空会社の「フライトキャンセル通知」や「自治体発行の災害証明書」などを添付すると、信頼性が高まります。
✅ 健康上の理由で活動ができなかった場合
- 病気や怪我のために仕事や学業を継続できなかった場合、その理由と治療の経過を説明する必要があります。
- 「医師の診断書」「治療計画書」「通院履歴」 などを提出すると、事情が正確に伝わりやすくなります。
■ 申請理由書の書き方とポイント
✅ 1. 簡潔かつ明確に書く
- 長すぎる文章は審査官が重要な点を把握しづらくなります。要点を整理して、分かりやすく書きましょう。
✅ 2. 誠実かつ正確に説明する
- 偽りや誇張は避け、事実に基づいて説明しましょう。
✅ 3. 証拠書類を添付する
- 申請理由書だけでは十分な説得力がないため、可能な限り証拠となる書類を添付しましょう。
✅ 4. 敬語を使用し、正式な文書として作成する
- 申請理由書は公的な書類なので、丁寧な敬語を使い、読みやすい文章を心がけましょう。
■ まとめ:申請理由書の提出が必要な場合は専門家に相談を!
ビザ更新申請において申請理由書が求められるケースはさまざまですが、大切なのは 「明確に」「正確に」「証拠を添えて」 説明することです。
「どのように申請理由書を書けばいいかわからない…」という方は、専門家に相談することで、スムーズな申請が可能になります!